現役を引退したじじいだよ、あだ名はロン、まだまだ元気なので気張って書いているよ

ボルネオ島の今は(2019/01/03)

2023/02/06
 
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ボルネオ島

 

皆さん、ボルネオ島のことをどのくらいご存知でしょうか。筆者自身は名前を聞いたことがありましたが、ジャングルに覆われた島ではないか程度の知識しかありませんでした。

 

ボルネオ島は

 

ボルネオ島 

 

ボルネオ島は位置的にはマレー半島の東にある面積が72.5万平方㎞で世界でグリーンランド島、ニューギニア島に次いで3番目の大きな島です。日本の約1.9倍の大きさです。島の北側三分の一はマレーシアで南側三分の二がインドネシアになっています。マレーシアの北西部の僅かな面積をブルネイが占めています。

 

ボルネオ島で有名なのはオラウータンや天狗サルですが、大部分がジャングルで覆われて野生動物が暮らしており、開けているのは沿岸部の僅かの場所だけだと思っていました。

 

天然資源が豊富

 

やがて資源開発の波が未開発の地ボルネオ島にも及んできました。鉱物資源が豊富で石油や天然ガス、石炭、ダイヤモンド、金、銅、鉄、ボーキサイト、シリカサンドなどがあることが判りました。このうち条件が整ったところから順次開発が進むものと思われます。

 

ブルネイ

 

 

石油や天然ガスはブルネイ国の沿岸で大量に産出して石油は精製処理して、また天然ガスは冷却液化してそれぞれ輸出されています。ここでも日本企業の協力の下で開発が進められました。

 

天然ガスは日本へ

 

 

天然ガスは硫黄分をほとんど含まないのでクリーンガスです。採掘された天然ガスの大部分は日本へ輸出されて主として火力発電用として使われています。更にブルネイは資源の輸出だけでなく川下製品を製造して付加価値を高める計画を進めています。

 

シリカサンド

 

シリカサンド試掘場へ

 

某大手会社がボルネオ島のビントゥルから山間部に入ったところで試掘をしているとのことで、このシリカサンドが使用可能かどうか見に行くことにしました。マレーシアの首都クアラルンプールを昼前に出発して2時間10分の飛行でビントゥルに着きます。

ビントゥル市街 

 

ビントゥルの川を遡る 

 

翌日は車で1時間ほど走ったところで川の船着き場到着しました。ここから6~7名乗りで屋根なしのエンジンボートで川を遡ります。はじめは広かった川幅も狭くなり遂には川面を覆いかぶさるようになり、日が遮られて薄暗くなってきた感じがしました。途中流木を見た時には一瞬鰐ではないかと身構えたものです。
2時間くらい遡ったでしょうか周りが急に明るくなりボートは止まりました。そこが試掘現場でした。ここにはコンベアで掘りだされたシリカサンドが山積みされていました。手で触っても非常に品質が良いことが判りました。サンプルを頂き、持ち帰って分析することにしました。
暗くなっても困るので滞在もそこそこに同じルートを同じボートで帰りました。帰国後持ち帰ったサンプルを分析した結果、品質は申し分がないほど良好でした。ただ懸念したのはビントゥル港までの陸路輸送をどうするのだろうかということでした。日本はシリカサンドは輸入していますが、コスト的にどうなるのだろうかということでした。
筆者らの結論はシリカサンドを使用する工場はビントゥル周辺に立地した方が良いのではないかということでした。

 

アルミナ

 

ボーキサイト鉱石を化学処理してアルミナにします。このアルミナを溶融中で電気分解して不純物を除去したあと圧延したり、コイル巻にして製品とします。ボーキサイト鉱石がインドネシア側で見つかり日系企業も参加してアルミナまで加工して一部を日本へ輸入しているようです。
アルミ製品は自動車の部材や建材、アルミ缶、家庭用資材として広く使用されています。私たちの生活には欠かせません。

 

シリカ

 

日本は生産に必要な原料用シリカサンドのほとんどを輸入に頼っています。良質の原料の安定確保のために日系企業がマレーシア東海岸や豪州などに進出しております。

 

シリカの製造方法は

 

原料シリカはアルカリ,酸で処理して得られた粒子を乾燥します。ここで重要なことは化学的な処理の仕方で粒子の大きさや表面構造,細孔の状態に違いが出てきます。この違いを利用することによって幅広い応用分野が広がります。

 

シリカ製品の用途

 

皆さん、若しかしたらシリカはあまり知られていないと思いますので、どのようなところで使用されているか幾つか見てみましょう。意外と生活の身近のところで広く使われています。

 

タイヤの充填剤

 

乗用車のタイヤ 

 

まず皆さんが毎日乗っていおられる車です。トラック、バス、乗用車などのタイヤの耐久性と制動性を高めるために、ゴム100に対してシリカ40程度、カーボンブラック10程度と多く含まれています。通常走行の時は転がり抵抗は小さく、制動を掛けた時には短い距離で停車することが求められますが、この要求にシリカは適しているわけです。

 

シリカの特徴

 

シリカの粒子径と粒子内孔の大きさはシリカの生成反応条件によって制御出来ます。例えば粒子径は3μm~5μmで小さい細孔径が6~15nm、大きい粒子径は~30nmです。シリカ粒子の細孔の大きさにより取り込まれる分子の大きさが違う為に篩として使用することが出来ます。

 

シリカの用途

 

この原理を利用して分子篩、水分の吸着剤、また表面積が大きい為に吸着剤、化粧品、歯磨き用研磨剤、乾燥剤、医薬品分野などで使用されています。塗膜の艶消し剤、高級オーディオ機器や高級家具の塗膜艶消し剤としても使用されています。
インク吸収剤としてインクジェット用紙に、またフィルムに練りこみフィルム同士の密着を防止するアンチブロッキング剤として各種樹脂フィルムに広く活用されています。
化粧品や歯磨き剤、乾燥剤など身近なところに広く使われていますよ。挙げたらきりがないくらいです。

 

ボルネオ島の観光

 

コタキナバル

 

キナバル山 

 

ボルネオ島の観光地としては西沿岸のマレーシア側が拓けているようです。北側のボルネオ島北側には世界遺産コタキナバル山(標高4095m)とコタキナバル市街地を組み合わせた一帯が観光エリアとなっています。
登山はコタキナバルの街からバスで麓の公園管理事務所まで来て、ここで入山手続きを済ませます。その日のうちに麓の山小屋まで登りここで一泊します。翌日頂上まで登ります。頂上付近の岩場には鎖ロープが張ってあり素人でも安全に登山できるそうです。この登山の面白いところは標高が変化するにつれて周りの植物がジャングルから岩場まで連続して変わることだそうです。

 

コタキナバル市街中心部 

 

コタキナバルはボルネオ島のマレーシア領内最大の街です。ホテルも充実しておりコタキナバル山登山と観光の拠点となっています。日本人観光客にも結構人気がある地域となっているようです。

 

ビンツゥル

 

少し南にはブルネイがありまた少し南へ下るとビンツゥルがあります。ここにはサラマコン工業団地があり太陽光パネル用シリコン工場が立地しています。観光スポットといってもボルネオ島は南の島です。なんといってもサンセットは絶品ですしまた太白公寺院がみどころでしょうか。

 

クチン

 

クチン市街 

 

さらに南に下ってインドネシアと国境に近いクチンの街はサラワク川河口に開けた街です。ボルネオ島観光の拠点になっています。人口は30万人余りで理由は良く判りませんが「猫の街」と言われています。インド人、中国人、マレー人、などが住んでいるので料理もバラエティーに富んでいます。観光スポットとしても、川沿いの900mに及ぶ遊歩道やメインバザール、アスタナ宮殿、猫博物館など見るところ結構あるようです。

 

まとめ

簡単にまとめてみますと;-

(1)天然資源が豊富で日系企業が進出して共同で開発が進められています。天然ガスをはじめ一部の資源は日本に輸出されています。日本との関係は年ごとに密接になって来ています。

(2)資源の単なる輸出だけではなく下流を含めた国内発展を目指していることが感じられました。

(3)ホテルやインフラ関係も整ってきて観光地としても少しずつ知られるようになり日本からの観光客の出かけるようになりました。
ボルネオ島の今は結論として日本にとって切っても切れない大切な島になっていることでした。

ご参照;「多彩な文化の街、クアラルンプール」2019-9-24」 こちらもぜひご覧になって下さい。
最後までご覧いただきまして有難うございました。



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