パースは美しい街です(2019/04/24)
パースという街
パース(Perth)という名前の街は英国は勿論アメリカ、オーストラリア、カナダなどにあります。「オリジナル」になっているのは英国のパースなのでしょうか。英国のパースはティー川右岸に位置して13世紀から15世紀までスコットランドの首都だったそうです。人口が4万人余りの静かな美しい街なのですね。
西オーストラリアの大都市です
オーストラリアのパースは同国の西海岸に位置していて、人口が200万人以上で西オーストラリア州の首都でもあります。シドニー、メルボルン、ブリスベンに次ぐオーストラリア第4の大都市でもあります。
世界一美しい街
ブリスベンには行ったことはありませんが、シドニーやメルボルンに比べるとややこじんまりとしていますが、ビジネスに必要なインフラはすべて整っています。最近では人口の増加率も比較的高く高層ビルが増えているようです。世界一美しく住みたい街と言われています。
パースはスワン川入口付近に1890年代中頃に植民地として開かれましたがそれ以降英国を始め西ヨーロッパ諸国からの移民を受け入れて発展してきています。
ブラックスワン
スワン川には白鳥ならぬ黒鳥「ブラックスワン」がいて初めて見た時にはびっくりしました。体が大きく全体が黒い白鳥なのです。余談ですが帰国後一緒に出掛けた仲間と「ブラックスワン会」を作り懇親を深めています。
珍しい動物も
オーストラリアには珍しい動物がいます。カンガルーやコアラは有名ですが、クオッカ、ウォンバット、ポッサム、タスマニアンデビル、エミュー、カモノハシなどのオーストラリア固有種がいます。オーストラリア大陸が長期間隔離されていたことが要因の一つと言われています。動物園に行けば見られますね。
オーストラリアは資源大国
オーストラリアは一国が大陸となっていて大きな国です。また資源大国でもあることは余り知られていないかも知れません。
西オーストラリアには資源が豊富
特に西オーストラリア州には鉱物資源が豊富に存在していて、鉄鉱石、金、ニッケル、アルミナやダイヤモンドといった資源の発掘ラッシュが続いてパースの街は成長してきました。
鉄鉱石
鉄鉱石は西オーストラリア州北部のピルバラ地区でほとんどの生産が行われて日本や中国を始め各国へ輸出されています。
原料塩
また最近では非常に品質の良い工業用原料塩の生産も行われるようになり日本を始め世界各国に輸出されています。
世界一の輸入国
日本は世界一の原料塩の輸入国です。この原料塩を電気分解して苛性ソーダと塩素が得られます。
基礎的な工業材料
苛性ソーダ
苛性ソーダは基礎工業薬品として幅広く使用されています。石鹸、洗剤、水処理剤、アルミナ製造にも大量に使用されています。
塩素
一方の塩素は塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹脂など広く合成樹脂の原料として使用されています。さらにシリコーンやポリウレタンなどにも使用されています。どちらも非常に重要な化学的基礎材料となっています。
日本企業も参加
日本は世界一の工業用原料塩の輸入国です。年間約700万トン近くを主としてメキシコとオーストラリアから輸入しています。日本の大手商社が関わる大規模塩田で大量生産されています。規模の大きさから飛行機から眺めた幾何学模様はとても美しいです。筆者も上空から見る機会がありましたが、写真は都合により撮影しませんでした。
米国産天然灰
前にも記載しましたが、日本のソーダ灰需要ほとんどすべてがコスト競争力がありかつ品質の良い米国産トロナ灰に置換されたために、原料塩の使用量は近年減少傾向にありました。残りの少量がインドから輸入されています。
石油と天然ガス
石油・シェールオイル
石油や天然ガスの埋蔵量も多く天然ガスは輸出されています。オーストラリア国立地学研究所によれば、商業的に採掘可能な石油埋蔵量は約37億バレルと言われていますが石油と石油製品は現在のところ全量輸入されています。またオイルシェールも大量に埋蔵されていると言われています。
天然ガス
天然ガスは同国国立地学研究所によれば商業生産可能な埋蔵量は3.7兆m3となっています。既にオーストラリア全土の沖合海域で採掘が行われていて、2013 年には約 627 億m3が生産されていて生産量は増加していると言われています。
日本へ輸出
国内消費を除く、2013 年には 約303 億 m3 が輸出されています。このうち約80%が長期契約で日本に輸出されています。
オーストラリアと日本は
オーストラリアと日本との関係はとても深いものがあります。日本は産業の根幹を支えると言っても良い天然資源をオーストラリから大量にしかも安定的に輸入しています。鉄鉱石、石炭、天然ガスそれに化学工業用原料塩と農産物です。逆に日本からは工業製品が輸出されています。また訪豪日本人観光客も増加して国別でも上位を占めているようです。
農産物には牛肉や小麦などがあります。オージービーフも広く出回っていますし、味も日本人好みに近づいてきたのでしょうか。
豊かな天然資源の存在があることから、オーストラリアは小麦や羊毛と言った農業物、鉄鉱石、金、天然ガス、石炭、天然ガスと言った素材や一次産品の輸出主要国である。
自国産の原料に
筆者らは豊かな天然資源を原料としてより付加価値の高い製品に有効に製造加工出来ないかと考えてきました。しかしオーストラリアのように賃金が高い国では高コストを吸収出来るほどの高付加価値製品が製造業の範疇にはなかなか見当たらないのが現状のようです。
国産化に拘らない
自動車工場5社は近年撤退しましたし、某高炉メーカーは日本メーカーとの連携を強めさらに人員削減を行って一段のコスト削減に努めているようです。
たとえ自国産の原料が有っても後発になる場合その原料による国内での工業化には必ずしも拘る必要はないないのではないかとの考え方も出てきています。
国際的な分業化によりが競争力を含めた産業の分担を図るという考え方が出てきたのですね。
パースの観光
オーストラリアと言えば、シドニーやメルボルンが有名ですが、西オーストラリアに「世界で一番美しく住みやすい街」と言われている都市があるのをご存知ですか?それがパースのことです。市内観光地としては定番ですが、
1)スワンリバー下り 川クルーズ
2)コテスロビーチ ビーチ、夕日
3)ロットネスト島 美しい海、マリーンスポーツなど
4)ピナクルズ 奇怪岩などの風景
などがあります。
パースは西側がインド洋なのでいろいろな場所で夕日を見ることが出来ます。コテスロビーチで沈みゆく夕日を見るのも最高だと思います。パース駅からフリーマントル線で20分でコテスロ駅に着きます。駅からビーチまで徒歩約20分です。もちろんタクシーでも行けます。
アクセス
東京からパースへこれまでは、バンコックかクアラルンプールかシンガポールで乗り継いでいました。これは便数が多いので便利です。筆者はシンガポール乗り継ぎ便を利用しました。2019年9月1日からは全日空が東京成田からパース行きの直行便を就航させるようですね。一日一往復ですが便利になります。
まとめ
オーストラリアとは主要資源や農産物の輸入で重要な国であることが判りました。また我が国の製品の輸出先としても重要ですし多くの日本人観光客が訪れる国でもあります。今後とも一層仲良くお付き合い続けていきたい大切な国であることが判りました。
パースは「世界一美しく住みやすい街」と言われていますが、ビジネス旅行で出かけてみてもその通りだと思いました。まず街が明るいですね。人たちは親切で料理とワインは美味しいです。こんな街に住んでみたいと思いますね。
追記;オーストラリについては「住みやすい街、メルボルン」を2019年9月12日付けで記載しました。
是非ご覧いただければ有難いです。
最後までご覧頂きまし有難うございます。