勝者のモニュメント、凱旋門(4)(2020/12/05)
目次
インドの凱旋門
凱旋門については、これまでに主としてヨーロッパのそれについて触れてきました。
インドへ旅行された方も多いと思います。筆者自身も何回かインドへ出かけてみて,その度に不思議と何とも表現し難いような魅力を感じている国でもあります。インドにはニューデリーとムンバイに有名な「凱旋門」があります。
ニューデリの「インド門( India Gate )」
立地
ニューデリーの国家的儀式が行われる大きな通りラジパースの東端に建っています。基礎石を設置してから10年後に完成した。
建設目的
第一次大戦や中近東・極東地域での戦争、アフガニスタン戦争など1914年~1921年間で戦死した英領インド陸軍兵士7万人を追悼する記念碑として建設された。
ニューデリーのインド門
主な仕様
設計者:エドウィン・ラッチェンス
着工:1921/02/10、門の礎石設置
完成:1931/02/12、
全長:約9.1m、高さ:42m
台座:赤色トラプルの石の台座
上部:浅いドーム型の油用のボウルがある
毎年1月26日の共和国記念日には首相がこのアマル・ジャワン・ジョティに敬意を表して門を訪れ、その後、共和国記念日のパレードが始まる。またニューデリー市民の集会の場所ともなっています。近くで見るとなかなかデカいです。
凱旋門に似ている
下の写真のように角度を変えてみるとパリのエトワール凱旋門に似ています。またムンバイのインド門にも似た所がありますね。古代ローマ時代の凱旋門としては、現存する最古のものであるイタリアのリミニにあるアウグストゥスの凱旋門とも似ています。
リミニにあるアウグストゥス凱旋門については下記のポストをご参照ください。
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ニューデリーについては次のポストもご参照ください。
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ニューデリーの観光スポットにもなっています。初めてニューデリーに来たときは、どうしても日帰りで行ける世界遺産でもある有名なアグラのタージマハールやアグラ城を見たいと思います。
ムンバイの「インド門( Gateway of India )」
ムンバイは
ムンバイ(旧ボンベイ)はインド最大の都市で、周辺の衛星都市を加えると2200万人以上大都市圏を形成しています。金融業、商業、恵まれた港湾を利用した運輸業、工業それに教育などの中心地となっています。
インドへの入口
このインド門は、英国王ジョージ5世(インド皇帝)とメアリー王妃が1911年に訪れたとき、アポロ・バンダルに上陸したことを記念して建立された。さらに後に英本国の要人やボンベイ知事 の来印時の式典会場となった。
立地
インド門はムンバイ市街のダウンタウンのアラビア海を臨むムンバイ港の海岸海岸線沿いのチャトラパティ・シヴァージー・マーグの終端でタージマハル・ホテルのすぐ隣に建っています。
ムンバイのインド門
ムンバイについては次のポストもご参照ください。
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設計:ジョージ・ウィテット
建築様式:ヒンドゥー教とムスリムの建築様式の組合わせ
高さ:26m、中央ドームの幅:15m
材料:玄武岩+鉄筋コンクリート
着工:1911年3月、完工:1924年
古代ローマの凱旋門と16世紀のグジャラート州建築物の要素を組み合わせ、さらにヒンズー教とムスリムの建築様式を組み合わせたと言われています。
凱旋門と似ている
建設:315年
高さ:21m、幅::25.7m、奥行き:約7.4m
3門構成、中央門、高さ:約11m、幅:約6.5m
左右の門、高さ:約7m、幅:3m
ローマにある凱旋門では最大
基礎、下部構造:石灰華
最上部:煉瓦(外装は大理石)
円柱:黄色大理石
前にご紹介した古代ローマ時代のコンスタンティヌス凱旋門に雰囲気が似ていると思います。
まとめ
- 筆者にとってインドは今後大きく発展する国としてなかなか興味のある国の一つです。
- ニューデリーとムンバイの二つの主要都市にある「インド門」は建築する目的は異なるようですが、建築様式は古代ローマの凱旋門を思い起こさせて興味が沸いてきます。
最後までご覧いただき有難うございます。