最近の物価上昇はきつい(2023/02/03)
目次
物価上昇は厳しい
最近の消費者物価の上昇は厳しいですね。スーパーで購入する食品や日用品でもその上昇率は非常に大きく例えば一年に2回、3回と値上げされ前年同月比30~40%上昇した例は多く見られます。このような急激な上昇は毎日の生活を圧迫するようになってきました。
物価上昇の原因は
私どもの身近な商品の価格上昇の理由は幾つか考えられます。まず現在の世界情勢からくる主な要因です。
(1)ウクライナ戦争によるエネルギーと穀物価格の上昇
(2)就労人口の減少
(3)為替の円安方向への変動
原油価格の推移
原油価格については2022/06頃のWTI、ドバイ原油の115ドル/バレルブレンドの120ドル/バレルをピークに下落しており2022/12時点では70~80ドル/バレルになっています。原油価格の推移はこちら。
穀物価格の推移
世界経済ネタ帳のグラフを見ると、主要穀物価格の推移はどうも高止まりになっているようです。それはウクライナの先行き状況が見通せないからだと思います。グラフはこちら。
為替の変動推移
ロイター社によれば、最近の為替(円/ドル)の変動の状況が良く判ります。2022年10月には一時150円/ドルとなり、輸入品の価格が更に上昇するのではないかと心配しました。
その後円高方向に振れて現在では128円台(2023/02/02)になっています。為替は特に米国FRBの政策とも関連しているので、日本側だけで決まらないところに難しさがありますね。
労働力人口の推移
総務省が最近発表した2022年のデータによれば
(1)2022年平均の完全失業率は2.6%と、前年に比べ0.2ポイントの低下、完全失業者数は179万人と16万人減少(3年ぶりの減少)
(2)2022年平均の就業者数は6723万人と、前年に比べ10万人増加(2年連続の増加)
勿論これは瞬間風速的なデータですが、長期的にはやはり労働力人口も総人口も減少傾向を続ける予測となっています。国力を担う若い人が少なくなれば国は活力を失っていきます。ここからは政治の出番で人口減少を食い止める有効な政策を打ち出すことが待たれています。
家庭用電力料金について
大手9社の電力料引き上げ申請
日本経済新聞2023/01/23付け報道によれば、大手9社の値上げ申請率は下記の通りなっており2社を除きいずれも大幅な増額を申請しています。各社の申請額の表はこちら。
関西電力と九州電力は原子力発電の割合が比較的大きく、順調に稼働しているので今回の値上げの必要
はないのだそうです。
例えば東京電力や東北電力など約30%の家庭用電力料金値上げを通産省に申請しています。最終的に何%の値上げになるかは判りませんが、昨今の状況を考えれば大幅引き上げになる可能性が高いと見られます。
電力価格の決め方は
電力価格決定の仕方は非常に複雑で一介の素人には大変難しいです。太陽光発電、風力発電などの自然エネルギー発電の発電コストが高く、これを電力会社が買い取っています。
この高い発電コストは結局は我々一般消費者負担することになっています。これも電気料金上昇一因になっているように考えられます。
太陽光発電パネル
製造工程
大まかに分けて前工程(1)と後工程(2)に分けられます。仮に下記のように分けると
(1)石英鉱石を高純度シリコンインゴットを作る
(2)インゴットを切り出しモジュール化してパネルを組み立てる
因みに太陽光用シリコンの純度は6N%程度で半導体用シリコンの純度は11N%程度と言われています。
この前工程で大量の電力などのエネルギーを必要となります。仮にこの電力を効率の悪い石炭発電で賄うとしたら、全体を通しての効率は一体どうなっているのでしょうか。
問題視されているのは
現在世界中の太陽光パネルは中国製パネルが使用されています。中国製パネルはウイグル地区で安価に製造されています。諸般の事情から米国では輸入販売、設置が禁止されています。
環境への影響
森林を伐採して設置する例が多く、森林のCO2吸収能力の低減、森林の伐採による環境破壊、パネル自体の廃棄処分の問題など環境破壊につながるのではないかと心配されています。
電気料金の値上げは大口使用者にも及ぶので、電気料金値上げによる食料品や生活用品へのコスト上昇の波は少し遅れて波及するのではないかと思われます。この夏以降更に何回かに値上げが行われる可能性が大きいのではないかと心配しているところです。
Twitterとの連携
Twitterとは下記のアカウントで連携しています。どうぞ一度ご利用になって下さい。
yokopysq (@GxVyh) / Twitter
関連記事
(1)you tube 【平井宏治】全国各地でメガソーラー「破産」相次ぐ【WiLL増刊号】
まとめ
- 電力料金の値上げは不可避のように思われるので今夏以降物流費、食料品など末端商品の価格上昇へ波及してくるもの思われます。
- このままでは一般庶民特に賃上げが期待し難い中小企業や年金生活者などの生活は一段と苦しくなりそうです。
最後までご覧いただき有難うございます。