砂糖よりずっと甘い甘味料(2019/04/04)
甘味料は
天然甘味料
甘味料と言えば食品に甘味を付けるための調味料ですが、大きく分けると天然甘味料と人工甘味料があります。天然甘味料は主にサトウキビやサトウダイコンから得られる砂糖とデンプンから得られるグルコース(ブドウ糖)があります。ハチミツにもグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が含まれていると言われています。
人工甘味料
また人口甘味料としてはソルビット,サッカリン,アスパルテーム、アセスルファムカリウ、スクラロースなどがあります。いずれも砂糖に比べて甘未が強いのが特徴です。今日本で使用されている人工甘味料のうち主なものは次のようになります。
主な人口甘味料 | 砂糖の何倍の甘さか | 甘味料1g当たりのカロリー | 当初の主な生産国 |
---|---|---|---|
アスパルテーム | 200倍 | 4kcal | 日本 |
アセシルファムカリウム | 200倍 | 0kcal | ドイツ |
スクラロース | 600倍 | 0kcal | 英国 |
人工甘味料の輸入量は
輸入については農畜産業機構によれば、2015年の時点でアスパルテームは年間約500ton程度でウルグァイ、中国、韓国、米国などから、またアセスルファムカリウムは約500ton程度でドイツ、ウルグァイ、中国などから、スクラロースはton約16ton程度で中国、米国などから輸入されているようです。
ここでは食品添加物として安全が確認されてしかも甘未が砂糖の約200倍もあり尚且つ低カロリーないしはゼロカロリーのアスパルテームについて触れてい見たいと思います。
アスパルテームとは
アスパルテームとはアスパラギン酸とフェニールアラニンとから化学合成された甘味料です。砂糖の約100~200倍の甘さがありしかも非常に低カロリーであるために甘味料として注目されました。米国のある会社がガストリンの合成研究中に発見して,またその工業的製法は日本のある会社が確立しています。製造特許も日米欧と主要国で取得しています。
安全性
また食品添加物としての安全性確認試験も日米欧の主要な研究機関で幅広く長期間にわたり慎重に行われて安全であるとの結論に達しています。現在日米欧の主要国で当局の認可を得て販売されています。また人口甘味料には虫歯を促進するような成分は含まれていないことは有利な材料ですね。
アスパルテームの誘導体
またアスパルテームの誘導体のとしてアドバンテームが開発されていますが、これはスクロースの2~4万倍の甘さを持つのでこれもアスパルテームと併用して使用されているようです。甘味物質についてはいろいろな研究があります。「甘味物質の化学」もその一つです。ウキペディアの甘味料やアスパルテームも参考にしてみてください。
甘さとカロリーは
アスパルテームはタンパク質と同様に1g当たり4kcalですが、同じ甘さを得るのに砂糖の約200分の1の量ですみますから、もし砂糖1さじを使用するとすれば砂糖1さじ約4.5gは約18kcalですが、その甘さに相当するアスパルテームは約0.1kcalになります。カロリー摂取量としては問題にならないレベルです。
甘さには個人差がある
アスパルテームの甘味については個人差がありますので明確に言えないところです。酸っぱい、苦い、美味くない、後味が悪いなどの理由からや、また依然として残るガンや健康への心配などから人工甘味料入りの飲清涼飲料水や食品などは摂取しないと言われる方が結構おられるようです。
需要はある
一方では低カロリー食品やクリームやケーキ類、清涼飲料,キャンディーなどに広い分野で大量に消費されているのも事実です。どうも「低カロリー」ないしは「オフカロリー」に対する世の中の強い要望がある限りこの種の甘味料に対する需要が続くように思います。
ブラジルへ
ブラジルの企業が興味を持つ
ところで筆者はブラジルサンパウロのある会社から人工甘味料の話を聞きたいとのオッファーを受けて、サンノゼでの会議を終えた後サンフランシスコからマイアミ、リオデジャネイロ経由サンパウロに向いました。
サンパウロへ
マイアミでサンパウロ行きの便に乗り換えるのですが、乗り継ぎ待合室に近づくにつれて周りがスペイン語ばかりになって心細くなったのを覚えています。英語も十分でなくましてスペイン語、ポルトガル語は全く分からないものが一人でサンパウロに向かうわけです。
コルバートの像
マイアミからリオデジャネイロまでは夜行便で9時間弱かかりました。リオデジャネイロ空港着陸直前に見えた丘の上に建つあの有名な「コルコバードのキリストの像」は想像より遥かに大きく感じました。1時間余りの給油後にサンパウロに向けて飛び立ちました。
サンパウロは大都市
世界の都市圏には幾つかの定義があるようですが、都市的集積地域の観点から見れば1位の東京が31万百万人、2位のニューヨークが27百万人でサンパウロは7位で18百万人(いずれも2005年データ)となっています。もちろん南半球第1位で活気のあるとにかくでかい街です。
明治以降多くの日本人が移民として渡り定住してブラジル社会で活躍しています。
サッカーワールドカップ
サンパウロの空港には遠縁の会社の当地駐在員の方が迎えに来てくれていました。ホテルまで案内して貰いましたが、彼曰く今日は外出はしないでホテルで過ごして欲しいとのことでした。
理由はサッカーワールドカップで宿敵イタリアが優勝してブラジルは準優勝も出来なかったことで、夕方から夜にかけて若者が通りで車を乗り回したり練り歩いたり騒いだりするのでこれに巻き込まれない方が良いということでした。ブラジルが優勝した時はもっと盛大にお祝いのデモをするそうです。
相手方の会社へ
翌朝は訪問会社の担当者に電話してこの会社の住所と経路をホテルに受付に電話して貰いこのポルトガル語のメモをタクシー運転手に渡して出かけることにしました。相手の会社までは30分程で無事間違いなく到着しました。
ブラジルは最大砂糖生産国
ところでブラジルは世界一の砂糖生産国です。粗糖の価格低下でサトウキビの一部をバイオエタノールに回す動きがあります。サトウキビの生産量は約6億トン台で推移していて6割強が砂糖に向けられ残りがバイオエタノールに向けられているといいます。砂糖の生産量はブラジル国内の60%を占めるサンパウロ州だけで2300万トンで日本の30倍を生産しています。
天然甘味料に興味を持つ
そのような甘味料大国がどうして人口甘味料に興味を持ったのか逆にこちらの方が興味を持ちました。先方に確認したところそれはやはり低カロリー、オフカロリーにあるようでした。
健康な国に見えます
ブラジルの人は豊かな農産物やコーヒー、果実類、畜産物などがあり皆さんが健康に過ごしている印象を持っているのですが、例えば砂糖の摂取に関わる疾病の傾向がみられるのでしょうか。
外来者には良く判りません。
帰途は同じ経路
帰りは同じ経路を辿りマイアミ、ロスアンジェルス経由帰国しました。普段はあまりお土産は買わないのですが、今回は珍しく「太陽蝶の羽」で乾燥して標本になるもの空港売店で売っていましたので買いました。
太陽蝶
店員の「近いうちの太陽蝶などの標本は国外持ち出し禁止になるので今が最後のチャンスだよ」との説明に乗ってしまったわけです。
辞書によれば太陽蝶とは、「モルフォチョウ科の最大のチョウ。はねの開張16㎝に達する美しい大形のチョウで、前ばねに明るい褐色があり、後ばねの根元は白く、外方へ向かって黒褐色、時に青色を帯びた暗色に移行するのが、太陽の輝きに似ているのでこの名がある。南アメリカのアマゾン川流域に分布」とあります。
太陽蝶は美しい
これがジャングルの中で飛んでいるところを見れば物凄く美しいと思うでしょうね。是非個体が減少しないように保護して頂きたいと思います。現在通販サイトでは堂々と販売していますね。どうなっているのでしょうか。
まとめ
人工甘味料は安全性が確認された食添加物の一つです。低カロリーかオフカロリーで砂糖の200倍以上の甘さがありまた味に工夫が施されているのでそれ程の違和感はないようです。
砂糖に代表される天然甘味料を使用しなくてもよい分野では人口甘味料による代替が進んでいます。これも低カロリーに対する要求が強くなればなるほど代替が今後も進みそうです。
一方では日本の伝統的な和菓子の分野では人口甘味料は使用されていないそうです。人口甘味料の甘味の特性を生かして適量内で使用すれば問題はないのではないでしょうか。
最後までご覧いただきまして有難うございます。
参照 食品業界の知的財産戦略に関する事例研究および戦略モデル こちら