発展する国インド(3)(2018/12/13)
目次
チェンナイへ
ムンバイへ出かけた後数年後に再びインドのある企業から現地生産の可能性について検討したい旨のオッファーがありました。そこでエンジニアリング会社とチームを組んで本社のあるチェンナイ(=旧マドラス)へ向かいました。
チェンナイは
チェンナイは東インドで最大の都市でおよそ460万人でインド第5位の大きさです。都市圏の人口はおよそ860万人でタミルナドゥー州の州都でもあります。インドの人口は日本の10倍ありますから、人口の大小で日本と比較するのは少し無理なところがあるかも知れません。
チェンナイ市街
南インドの玄関口で東はインド洋に面して、自動車産業、情報産業やビジネスやプロセス、プログラミングなどIT技術を活用したITアウトソーシングの受け皿となる企業が活躍しています。
このプロジェクトは
原料の調達や製品の販売可能性調査や関連技術の供与、契約総額を含めた交渉は結構時間がかかりました。結局1ヶ月にわたる難しい交渉の末やっと妥結することが出来ました。合意に達した時にはほっとすると同時にどっと疲れが出てくるのを感じました。
チェンナイの料理は
インド料理は基本的には辛いのですが、長い滞在で慣れてくると美味しくなってきます。チェンナイ市内の高級ホテルタージコロマンデルホテル内にあるレストラン「サザンスパイス」は高級感抜群の雰囲気で優雅に食事を楽しむことが出来ます。
このレストランではタミルナドゥ、ケララ、カルナーテカ、アンドラプラディッシュの南インド4州の本格的なインド料理を楽しむことが出来ます。富裕層と外国人観光客の利用が多く日本人旅行者も結構出かけているようです。
ツチコリン
工場立地する予定地はツチコリン(英名=Tuticorin)です。英国統治時代の英名から日本ではツチコリンですが、どうも現地タミル語ではトゥーットゥックディ(=Thoothukudi )と言うようです。ツチコリン市はインドの南端に近く対岸はスリランカ(=旧セイロン)となっています。
インフラ整備は進む
ツチコリン港は日本からのODAなどにより港湾改修が進み大型船が入港できるようになってきました。これまでは火力発電所用の石炭やコンテナーの取り扱い港でありましたが、さらに石油の集積地として機能して隣接の火力発電所の燃料、近隣の地域に燃料資材を供給することがより可能となり新しい工場が立地し始めました。
原料調達と製品販売
このプロジェクトがその一角を形成すること出来るかどうかということでした。発展するインド国(2)でも書きましたが、このプロジェクトは二つの主要原料の調達と二つの主要製品の販売に問題がないかの事前調査が重要です。このプロジェクトを実行するインド企業は自信があったのでしょう。あとで判ったことですが、原料調達と製品販売には問題なさそうでした。
スリランカ
ここでツチコリンをより一層理解して頂くために、対岸のスリランカについて少しばかり触れておきたいと思います。スリランカは人口約2160万人で首都はスリジャヤワルダナプラコッテ(通称コッテ)ですが、かっての首都で最大の都市はコロンボです。1978年のイギリス自治領のセイロンが独立して現在のスリランカ共和国になりました。
最大都市はかっての首都コロンボで人口が約75万人です。港湾設備の整備には日本も開発資金を提供していましたが、最近では中国が多額の資金を供給して整備を急速に進めてきました。
インドにとっては
日本からの援助でツチコリン港の浚渫工事を行い整備されてきました。インドにとっては対岸のセイロンの港湾設備はツチコリン港とは競合する関係になります。インドとしては何とかこの地域を発展させたいと考えているように思えました。
チェンナイ周辺の料理
同じ都市に長期間滞在すると、食事などもマンネリ化してきました。はじめは辛い料理もそれほどでもなくなり美味しく感じるようになってきました。前にも書きましたが北インド料理の主食は小麦を原料とするナンやチャパティですが、当地南インドでは主食は米です。
この違いは気候風土が小麦の栽培に適しているのに対して南インドでは10~11月に北東の季節風により月に300㎜程度の雨が降るそうです。基本的には暑いので稲作に適しているのでしょうか。
今日本では田植えや稲刈りはすべて機械で行っていますが、南インドではまだ数十年前の日本のそれのように、人が横一列に並んで苗を植えていきます。なんだか懐かしい風景です。稲刈りも同じように人手でしているのでしょうか。
ノンベジタリアンには鶏肉、羊肉、海や川の魚が使われますが、筆者は魚類は骨が苦手なのでもっぱら鶏肉となりました。ベジタリアンには豆を使った料理となります。いずれも香辛料が効いていて美味しいと思いました。
チェンナイ周辺の観光スポット
チェンナイ周辺の観光スポットとしては結構見るところがあるようです。限られた時間のためにあまり見ることが出来ませんでしたが、2~3例を上げるとこんな具合です。
チェンナイ中央駅、カパーリーシュヴァラル寺院、ITパーク、チェンナイ市庁舎、パールタサラティー寺院、サントス大聖堂、セモジプーナなどです。
まとめ
(1)予てから要請のあったインド企業への技術供与がやっと実現したこと
(2)インドから見た周辺国との関係をこのプロジェクトを通して垣間見ることが
出来たこと
(3)インドは気候風土に培われた長い歴史や文化など奥深く興味が尽きないこと
などでしょうか。
この項はあと1回続きます。最後までご覧頂きまし有難うございます。