現役を引退したじじいだよ、あだ名はロン、まだまだ元気なので気張って書いているよ

近くて暖かい台湾(2)

2020/08/03
 
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新竹サイエンスパークへ

台湾へはその後も仕事の都合で何回か出かける機会がありました。所謂ユーザー訪問です。当時筆者は原料から製品までの長い半導体製造工程の前工程にあたる石英製反応管の製造工程及びその製品の販売に関わっていました。

半導体製造工程概略

半導体の製造工程は一般的には大きく分けて前工程と後工程に分かれます。

 前工程としては

1)高温の石英製ルツボで高純度のシリコン単結晶のインゴットを造る。インゴットの径は200㎜もありますが300㎜が主流となっています。
2)インゴットを切断して円盤状のプレート(=ウェーハー)を造り、表面研磨のあと高温の石英反応管の中で表面に酸化被膜を造ります。
3)ウェーハー表面にフォトレジストを塗布し、これにフォトマスクをを使いウェーハー表面にパターンを焼き付けます。
4)エッチングで不要となった酸化膜を除去します。
5)ウェーハーに酸化・拡散・CVD・イオン等の素子を打ち込みます。
6)ウェーハーを平坦化してアルミターゲットをスパッターリングして電極を形成します。

後工程としては

1)ウェーハーをダイジングします。
2)チップをワイヤーで固定します。
3)チップとリードフレームをボインディングワイヤーで結びます。これは非常に精密な作業となります。
4)金型にて、リードフレームから個々の半導体製品を切断・分離し、 外部リードを所定の形状に成型します。
5)温度と圧力のテストをします。
6)製品検査や信頼性検査など各種検査を行います。

以上が半導体チップの製造工程の概略説明です。

前工程の高純度シリコン単結晶インゴットの製造やウェーハー製造においては現在のところ日本が圧倒的なシェアを持っています。

現在進行中の設備投資の進行動向を考えるとシリコンウェーハー分野においても今後中国勢が勢力を伸ばしてくると予想されています。

今後の技術開発

今後の技術開発の方向としては、いくつかあると思いますが収率向上とコストダウンを追及するテーマとしては例えば
1)450㎜ウェーハー製造技術確立
2)一段の細線化技術開発(現状は~7nm)、(1nm=10億分の1m)
がありますが、いずれの技術も非常にハードルが高いように思えます。

新竹サイエンスパーク

台北から新竹までは新幹線なら10分余りで着きますが、人数が5~6名だったこともありリムジンを雇って出かけました。ホテルから新竹サイエンスパークの管理事務所まで2時間弱で到着しました。ここで挨拶をして目的の会社に向います。

半導体メーカーなどを訪問。特に最大手のT社ではビジネスの話を済ませた後依頼されていた石英反応管の製造法と動向について概要の講演を行いました。熱心に聞いて頂いて嬉しかったです。

 ファンドリー生産方式

台湾の半導体メーカーはファンドリー生産方式というビジネスモデルを確立して世界のトップの座を獲得するまでに成長しました。受注生産に徹することで効率良くしかも高品質の製品をより安く安定的に製造できるといいます。日本企業は残念ながら後退を余儀なくされています。

国内メーカーも頑張って欲しい

余談ですが、筆者も現在使用中のPC容量が一ぱいになりスピードも落ちてきたので、ささやかな応援も兼ねてなるべく国産品に買い替えようと思い量販店に出かけたり、ネットで調べたりしているのですが純国産パソコンは最早見られなくなりましたですね。
世界中の高性能でより安価な部品を集めて組み立てるのも立派な考え方ですが、それにしてもかっての国産メーカー名が消えていくのは残念に思います。
新竹のサイエンスパークは1980年に設立された台湾最初のサイエンスパークです。そのモデルは米国サンフランシスコ州サンノゼにあるシリコンヴァレーをモデルにしたと言われています。

新竹サイエンスパークは;-
1)台北から近く、新幹線開通(所要時間約10分あまり)して一層便利になった。また桃園国際空港からも近いこと
2)敷地の周辺には国立精華大学、国立交通大学、工業技術研究院などがあり優れた人材を供給していること
3)住環境が隣接して整っていること
など全体として研究および技術開発が実行し易い環境となっています。
このパーク内には多くのハイテク企業が設立されていますが、その大部分が半導体、コンピューター、通信、オプトエレクトロニクスなどの電子産業となっています。各企業の努力とも相まってサイエンスパークは発展して行きました。

先ほどのT社やU社などによる半導体のファンドリー生産方式というビジネスモデルもこのような発展の中から生まれてきたものと思われます。
サイエンスパークには半導体やオプトエレクトロニクスやフォトマス分野など日系企業も多く多く進出しています。現在新竹サイエンスパークは満杯状態のようです。さらに新竹から台北までの80㎞が産業クラスターとなっていると言われています。

ほかのサイエンスパークも稼働

新竹サイエンスパークの成功を踏まえて、その後幾つかのサイエンスパークが開設されました。台南~高雄地区や台中地区周辺です。最近の台中地区周辺の発展は目覚ましいものがあると言われています。

 南部サイエンスパーク

さらに台南市郊外には2006年に南部サイエンスパークが開設されています。
1)オプトエレクトロニクスおよびその関連企業
2)精密機械産業
3)半導体産業
などの用地が予定されて既に日本企業も多く進出しています。

 中部サイエンスパーク

さらに台中周辺には中部サイエンスパークが2003年に設立されました。ここには
1)ナノテクノロジー産業
2)農業生産技術関連、
3)光技術、通信関連企業
などが集積しています。日本からもこれらに関連した企業が進出していますが、さらに台湾側の呼びかけに応じて進出する日本企業が増えています。近年の台中市およびサイエンスパーク周辺の発展は目覚ましいものがあるようです。
新竹のサイエンスパークの成功例を参考にしてAIを始めハイテク技術が今後の国の発展を決めるとの考えから当局が技術開発に力を入れていく方向が良く判るように思います。

まとめ

(1)新竹のサイエンスパークで先方の技術者と話をしていると自信に満ちていて国を引っ張っていく気概のようなものを感じました。
(2)これまでの開発のスピードを考えると日本を追い越す日も近いように感じました。
(3)いずれのサイエンスパークにも日本からもハイテク企業が進出して活動しています。日本と台湾が一層親密になっているのではないかと感じました。

最後までご覧頂き有難うございました。

 







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